相方の機嫌がちょっと悪い。
原因は明白。

今はGW真っ只中。
人によっては、12連休にもおよび、年末年始よりも長い、
まさにゴールデンな週間を満喫中なのだ。

だが、にもかかわらず、僕は仕事の都合でほぼフル出勤となった。
休めるのは、連休も最後の土・日・月の3日間だけ。
火曜の振り替え休日も既に出勤が決まっている。
大型案件の受注が決まって、役所への膨大な提出資料を休み明け
早々の期日までに作成・提出しなくてはいけないから、やむを得ない。
むしろ、3日休めるだけでも御の字なのに・・・。

だけれど、それを言って聞かせたとして、頭では理解できても
感情はそうはいかない、という、それが僕の恋人だ。
まったく、いくつになっても子供みたいな駄々をこねる。


かわいい・・・。


そんな風に思うようになった自分に驚く。

昔は、こんなことがあると、僕もイライラしていた。
僕だって、休みは減るし疲れるのに、帰宅してまでムスっとした顔の
相方がいたら、疲労倍増だよっ!と。
直接言わないにせよ、腹の中で毒づいてたりして。
な、もんだから、こんな時の家の空気は大概どんより気味だった。
今思えば、もったいない時間を過ごしたものだ。

しかし、それが、年月を重ねるにしたがって、気持ちの持ちようが
変わってきたらしい。

なんというか、相方なりの愛情表現であるあの態度が、
僕にとってはその度合いの確認になっている、と、そんな感じ。
逆に、「わかった。仕方ないな」なんて、サラリと納得されて
しまったらショックかも。
少しぐらい拗ねろよ!って思ってしまうに違いない。

だから今日も、片裾がめくれ上がったパジャマ姿のまま玄関で、
俯き加減にぼそぼそといってらっしゃいを言う彼に、僕の胸は
キュンキュンしまくりなのだ。



END

屋根裏部屋の入り口へモドル
文章部屋の目次へモドル
リビングへモドル