戦いの合間の僅かな休息の日々。
抜けきらないぴりぴりとした空気が漂うそんな毎日のなか、僕には密かな楽しみが
あった。
普段は決して意気投合することのない人物。
そんな奴の寝顔を見ること。
彼はとにかくよく寝る。
どこでもいつでも、呆れるほどに。
ただ、その無防備極まりない寝顔は、どういうわけか、僕のトゲトゲした気持ちを
鎮めてくれるのだ。
見ていると、自然と笑いが零れてしまう。
できることなら、ずっと眺めていたいな、なんて、バカげたことを思う時すらある。
我ながら気色悪いとわかってはいるのだけれど、彼が寝ているのを見かけると、
どういうわけか、覗かないではいられない。
たぶん、色んなこと、色んな出来事に疲れているせいだ。
そう思うと、少し胸がチクリとするけれど。
今日もソファから、見慣れた足が、はみ出している。
END
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