マヨルカ焼とは??

マジョリカ陶器
 マヨルカ焼ときいてピンとくる方は少ないかもしれません。マヨルカ陶器とは、マジョリカ、マジョルカ、マヨリカ、マイヨリカなどと呼ばれイタリアを代表する錫釉色絵陶器の総称です。
 中東で千年以上前から作られていたという大変古い歴史を持っています。その後、イスラム勢力と共にスペインまで広がっていきスペイン領のマジョルカ島からイタリアへ積出され、その後イタリアで模倣に成功し、各地に窯が築かれました。そして、マジョリカ陶器はイタリアを中心としてヨーロッパを席巻してゆきます。 15−16世紀の工芸のルネッサンス期には最盛期を迎えました。

 マジョリカ陶器は地中海の赤土を用いて成形し、素焼きした後に器表のほぼ全体に錫釉を施します。 この錫釉は乳濁白色に発色するものですが、その上に赤、黄、緑、藍など多くの絵具(酸化色材)を使って絵付けをし、もう一度焼き上げて完成させます。 最初の頃のマジョリカ焼は、地味で素朴な陶器でしたが、16世紀に錫を混ぜた釉薬をかけて焼く純白の陶器(ビアンキ)が登場してからヨーロッパに広まっていったようです。ヨーロッパの人々にとって白い陶器は憧れでした。


 
豆知識
 マヨルカ焼でよく見られるお皿や壺で、女性の横顔や握手している手などがあります。当時は男性が女性への愛の証や結婚の記念に相手の肖像入りの皿を送る習慣があったそうです。 そのほかにも商売の契約が成立した記念に握手している手を描いた皿を贈りあうこともあったそうです。