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すずのき病院お見舞い

■1997年8月22日(金) 晴れ 久喜すずのき病院入院中のおやじお見舞い。
久喜の「すずのき病院」に入院したおやじのお見舞いに、照子と一緒に行く。
先日からだいぶ胸が苦しいとか騒いで、おばあがまいって本人も含めてみんな納得の入院と思ったが・・・。
精神関係の専門病院とのことで、入院者は老人に限らないようだが、おやじの入院病棟は30〜40人位で、ぼけの始まった老人のみであった。病院の雰囲気は悪くない。先日健志が見舞いに行っての感想は、なにか病院が良くないとショックのようであったが、そんなことはない。施設(食堂とか廊下)、清掃の行き届き、看護婦等の雰囲気、いずれも悪くない。
悪いのは、おやじのぼけだ。入院患者はそれぞれの症状で、みんなぼけがあるようだが、その中でもおやじは悪い方に入る。みんなの仲間に全然入れない。行ったとき昼食後で、食堂の隅でぽつんとしていたが完全にぼけた感じ。それでも、こちらの顔を見て分かって手を握ったらなかなか離そうとしない。涙を出している。
ひげが伸びていてかなり気になるよう。しばらくして、ひげ剃りを借りてきてそろうとしたが、自分で剃ろうとしない。「剃って下さい」としきりに紙に書く。照子が剃ろうとしたので、自分で少しでも剃らせろと言ってしばらく自分で剃らせたが、手伝ってあげたりもして剃ったが、かみそりが切れないこともありきれいにならない。次に切れるかみそり持ってきてあげると終わりにしようとしたが、「もっときれいに剃って下さい」としきりに紙に書く。次にくるとき切れる剃刀持ってくるからと書くと、なぜかすぐに罰印を付けて、「もっときれいに剃って下さい」と同じことを書く。
そのうち、罰印は(見えなくて)読めないと言うことが分かった。で、眼鏡を借りてきてかけたが、同じことの繰り返しが続く。本当に見えないのかと、「じゃ帰るよ」と書いてみた。罰印も同じように付けたが、帰ってはダメと泣いている。全然読めないこともないようだと分かる。
しばらく同じことの繰り返しを続けていたが、リハビリが始まったので、みんなと一緒にやるように言ったところ、運動なんか意味が無いと怒っている。「俺の言うことが分からないのか」と何回も怒っている。それなら、こちらも帰ると言ったら、本当に「帰れ」と怒ったが、この時の顔は呆けの顔ではない。何年も前のおやじのキリッとした顔だ。
ともかく、本当に怒ったのでさっと立ち上がり、おやじの目に入らないところで見ていたら、リハビリの歌を歌うところでは、顔で調子をとっているのが分かる位ピリッとしている。一段落して、部屋に戻り別途に横になったので落ち着いてきたのかと思ったが、結構怒りは続いている。と言うことは呆けばかりではないなと感じたのだが・・・。
もっと常日頃から怒ったり、笑ったりすれば良いのだ。