王様ゲーム改め、女王様げぇむ
「・・・んっ、ちょっ・・・と、も・・・、とぉ、まっ・・・ぅんんんっ」
「や・・・、ま、だ、・・・もっ、と・・・」
「んっ・・・ふ、ぅん・・・んんっ!・・・っと、も、も・・・んーっ・・・んふ・・・っ、も、い、いいだろっ、コラっいいかげにしろっ!」
「あでっ!・・・〜ったいなぁ〜もぉ〜っっ」
時は流れてあれから十数余年。
妖邪との戦いも終結して、ん年以上が経った。
今はそれぞれに平穏な日々を送っている元トルーパー達。
彼らの友情は、今もなお途切れることなく続いている。
が、内2名の間柄は、その“友情”またちょっと・・・いや、かなり違うものとなっていた。
「このキス魔!いっつも長すぎんだよっっ」
「だって、伸とのちゅー、めっさ気持ちええんやもんっ、しゃぁないやろっっ」
そう。
かなりの紆余曲折を経てではあったが、当麻と伸、今現在のこの二人の関係は、いわゆる“そういう仲”だ。
もちろん、仲間達公認。
とはいえ、まさか、二人がこうなった原因が、あの夜の“王様ゲーム”であったとは夢にも思っていないだろう。
遼というKingの一言、そしてナスティQueenの一言で、彼らの人生は大きく変わった。
大袈裟かもしれないが、これが事実なのだからしようがない。
二人だって、あれより前、自分たちが思い描いていた未来とは、かなり違う方向へ進むことになってしまって、戸惑いもあったし抵抗もあったし壁も沢山あったし、それ以上にびっくりな展開だった。
それに、それが果たして良いことなのか、そうじゃないのかも未だにわからない。
けれど、それなりに幸せだとも感じている。
「伸は?」
「あ?」
「伸は、俺とのチュウは、イヤなんか?」
「・・・〜〜〜っ」
「ん?どないやねん」
「・・・す・・・っ・・・」
「す?」
「す・・・好き、だよっ」
当麻は、こういう会話で伸の顔が紅くなっていくのを観るのも好きだった。
耳までバラ色になるのを目にすると、胸の辺りがキュンキュンして堪らなくなる。
「ほな、もっかいしよ?な?な?」
伸は、いつもは自信満々で高飛車なこの男が、縋るように自分に甘えてくるのが堪らなかった。
いつの間にか、可愛い奴、などと思ってしまっていた自分がいて。
「・・・もぉっ、しゃあないなっ」
「やたっ!」
「「ん・・・っ」」
ちうっ
まったく、人生、何が切欠で、どちらにどう転ぶのか、さっぱりわからない。
まさに勝手気ままな王様のゲーム。
しかしそこが、人として生きる醍醐味であり、面白いところなのだと、近頃漸く思えるようになってきた、まだまだ青い彼らなのであった。
END